ハッキリ意見したことが関係をいい方向に変えてくれた。
理解・把握、それにまずは徹することも必要ではあるけれど、徹しすぎるともったいないこともあるんだ。言わないことには動かないことがたくさんある。
そう思った。
私のリハビリの同僚は4人。
みんな経験1~3年ほどの若いスタッフ。(あたしも大して経験変わらないけど。。。(^_^;))
いちおうみんなリハビリに関する勉強をしてきていて(中国ではまだ「理学療法士」「作業療法士」…こういった資格は存在せず、地域によっては看護師さんや、資格のない人、リハビリの勉強をしていない人が治療を行うこともある現状…)、彼らなりの治療を進めている。
私からすれば、気になることばかり。。。
仕事の態度。
何を評価して何をもとに、何を目的にやっているのか見えない治療、機能訓練ばかりでADL(日常生活動作)の評価、指導はない。。。
どんな患者サンにも按摩(マッサージ)とROM(関節運動)と筋トレをやったら終わり。
それが終わったらベッドから起き上がらせて靴をはかせるのは家族の仕事で、歩行の介助も家族がするのが当然。
それが中国の(?)現在のやり方。
やっていることが全て悪いとは思わないけど、
せっかく治療しているのにもったいないなーって思うことばかり。。。
ただ、まずはどんな現状があるのか把握しようと思い、あえて口は出さず、彼らの治療の流れ、方法を観察し、中国の医療事情について情報収集するに留めていた。
そして、ある男性の同僚。。。
彼はもともととても明るい性格で冗談もよく言うし、おしゃべり大好き。
興味あることにはきっと全力になるタイプなんだろう。
医者の資格をとってリハビリDrになりたいと言って今勉強をがんばっている。
普段も興味があることにはグングン首を伸ばして聞こうとする。
ただ、その分、興味がないことにはその態度を全面に出してくる。
最近私はスタッフからのリクエストで、毎朝職場のスタッフ(Drやナースも一緒に)に日本語を教えているのだが、
彼は「別に日本語必要と思わないから」とボソッと言って、参加はするものの全く聞いていないのを知っていた。
でもそれは個人の自由。「まぁいいでしょ。しょーがない!!」、そう思って気にしていなかった。
しかし、彼の中国語の発音は、私からすると科内でNo.1と言っていいほど聞き取りづらい。。。
方言の影響だと思うが…
そのせいで、赴任当初から簡単な言葉でもいつもいつも聞き返す必要があった。
筆談を交えて話してもらうようにお願いしていたが、彼もそれが面倒だったのか、
徐々に彼との会話は減っていた。
話しかけても「俺が話すと彼女は聞き取れないからお前話して」と他の同僚に声をかけ、私とのコミュニケーションを拒むようなこともあった。。。
そんなことを言っているのは何となくわかったから、苦しかった。
そんな彼の行うリハビリの治療は、私にとってはやっぱり「もったいない」と思う内容だった。
でも彼が具体的に何かを私に聞いてくるわけでもなかったし、彼の治療について深く話す時間もなかった。
そんな毎日が続いて、どうやって彼らと話をするのが一番いいのか、何から話すべきか。
彼らのやり方を否定するわけではなく、でもよりよい方法を伝えるにはどうするのが最善なのか・・・
私の今の語学力ではうまく伝えきれないし。ずっとモヤモヤしてた。
いろんなことがわからなくなって、急に気分が落ち込んだ日があった。頭を使いすぎて疲れたし、なんだか全てが嫌になってた。
その日は特にその彼とのコミュニケーションもうまくいっていなかった。
それを感じたのか、その彼ともう一人の女性スタッフが「今日なんか元気ないよ?何かあった?」と声をかけてきた。
笑顔がないと。。。
思っていることはあったけど、どうしていいかわからず、「何でもないよ!平気!」と逃げてはみたが、隠しきれないこの不安定な気持ち。
彼は私を別の場所に座らせ、「とにかく話して、なんでもいいから」と言ってくれた。
すごく迷ったけど、
もう何でもいいや!!と思って全部話してみた。
彼らのやっているリハビリはどの患者さんに対しても同じように見えて、何を目的にやっているのかが私にはわからないと。
ただ、今はみんなのやり方をまずは知りたいと。
すると彼は「僕もそう思っている。どの患者さんにも変わらないんだろ?でも僕はここに来たときにそれを習ってしまったから、他の方法を知らない。だから教えてほしいんだ」と。
そう言ってきた。
とても意外な答えで、でもとてもとても嬉しかった。
筆談を交えながら、ちゃんと言葉を発して説明してくれた。私とのコミュニケーションに一生懸命になってくれた。
その直後に来た彼の患者さんを一緒に診ることにして、一つ一つの治療に対して、私が思う部分、私だったらこうする、と全部説明してみせた。
彼は必死に聞いてくれ、彼の治療に取り入れようとしてくれた。
そして治療が終わると、「日本語で“謝謝”ってなんていうの?」と、全く日本語に興味を見せていなかったはずの彼が聞いてきてくれた。
教えると彼は
「ありがとう」
と日本語で言ってきてくれた。
「これからもこうやって今日のように教えてね」と。いつもの明るい元気な顔を私に向けてくれた。
彼らの考えや今まで積み上げてきたものに私が口を出して急に入り込んでいくことに対して、慎重になりすぎてた部分があったのかもしれない。
最終的にいろんなことを効率よく進めていくために
「まずは把握」
ってなんか型にハマってやってたけど、それも悪いことじゃないけど、動いてみれば意外と事が速く進むこともある。
この塩梅が難しいんだけど、
でも彼との関係はそれ以来少し変わったと思う。
そんなプラスがあるだけでも大きなこと。今の自分にとっては、とっても大きな…一歩。
まだまだ気になることはいっぱいで、優先順位をどうつけるか、迷うことだらけだけど、
でもこうやって進んでいくんだなって、
この一件をもって感じることができた。
どっと疲れたその日は、甘いもの買って帰って自分を癒してあげました♪♪笑
リハビリ室①
小さなリハビリ室で、ベッドもなんと2つしかない、環境はまだまだです。。。
小さなリハビリ室で、ベッドもなんと2つしかない、環境はまだまだです。。。
リハビリ室②
立派な機械だけ入って、使用用途は適切じゃない。
バランスボールもあるけど、ショボショボになった状態で放置されてます。
朝の日本語教室
50音を教え終わって、最近は簡単な文法に入ってます。
病院の近くの川辺からの夕焼け
綺麗なんだけど、なんせ空気が。。。残念極まりない。。。
しのさーん!!
返信削除すごいーー!!感動と元気をいただきました:)
着実に前に進んでる姿。
かっこよいし、すてき!!
ブログ更新楽しみにしています。